今度は、自分の狙った馬の敗因を考察します。自信があったレース、大枚はたいて勝負に出たレース、惜しくも高配当を逃したレースの敗因を考えるのは辛い作業ですが、今日の涙を明日の笑いに変える為にはこの辛い作業は避けて通れません。
Club Yanniesのモットーは運に頼らない馬券力ですから。 軸馬、狙った馬の敗因分析も基本的なスタンスは、連対馬の勝因分析と同じです。作業の詳細は連対馬の考を参照してください。ここでは、連対馬の勝因分析とは異なる点について触れたいと思います。
1.レース結果からの敗因分析
レース結果から分析する場合も、基本的なスタンスは連対馬の勝因分析と同じです。大きく違うのが、なんで期待通りのパフォーマンスを発揮できなかったのかを探る点です。レース結果からわかることは今回の展開、馬場、ペースなどがこの馬に合わなかったのでは?
ということです。
例えば、前走見せた痺れるような鮮やかな差し足が今回発揮されず、何故見るも無残な惨敗に終わったのだろう? あるいは、展開的に予想通りには行かず、この馬にとって厳しい流れになってしまったなどです。
これらを出来るだけ容易に発見する為に、各馬の分析に入る前に、納得がいくまでVTRを見なおし、成績からもポイントとなる「着眼点」を挙げたのです。メモを見返し、今回のレースの特色とVTRでのこの馬の動きを思い出してください。気になる馬の動きとは次のようなものです。
「レースの着眼点」を念頭に置いた上で、レースの流れがどうして狙った馬に向かなかったのか? どこが向かなかったのかを、ラップタイムや上位馬の通過順位から考えましょう。この辺の考え方については補足の「トラックバイアスについて」をごらんください。
2.出馬表からの敗因分析
レース結果を見て、「レースの着眼点」を把握した後で出馬表を眺めると、また新たな発見があるはずです。その見逃していたファクターこそ、今回の敗因につながった可能性があります。この段階で言えるのは、あなたは狙った馬に重大な弱点があるのを見逃していたことになります。もちろん、それは惨敗に限らず、3着などの惜敗にも言えます。馬連の場合1着-3着の組み合わせはいくら惜しくても、負けなのです(悔しいですけど、だからと言ってワイドに逃げては行けません。今度は1着-4着の組み合わせが待っています…笑)。
出馬表から敗因を探るポイントはほとんど、連対馬の勝因分析と同じです。そっくりそのまま、各チェックポイントを弱点としてみれば良いのです。ただ、若干考え方が違う点があるので、そこだけ触れておきます。
【出馬表を再チェックする際の注目点】
12.前走の反動
反動と言うのは実に分かりづらいファクタです。と言うのもほとんどが結果論に過ぎず、もしかしたら充実期を迎えている為に、辛いローテーションも乗り越えてしまうかもしれません。また、常識では考えられないほど、厳しいローテーションを乗り越える怪物もいます。
オグリキャップは天皇賞・秋2着後にマイルCSで僅差の1着。その後連闘で望んだジャパンカップで芝2400mの世界レコード 2:22.2にクビ差の2着。G1の連闘という厳しいローテーションでもすばらしい結果を残したのです。こんな怪物でも次走の有馬記念では1番人気に支持され、5着に敗退。非常に古い話で恐縮ですが、前走の反動を様々な意味で考えさせられたまたとないサンプルなので、あえて挙げました。オグリほどの怪物でも前走の反動が現れたのだから、普通の馬ならもっと顕著に出るはずです。
反動の出易いローテーションとは前走非常に中身のある僅差のレースを制した馬、短縮ショッカーなどの激しいショック療法後の馬です。詳しくは「Mの法則」と言う本で触れられています。
一般的な格言のようなものに、レコード後のレースは反動が出て凡走すると言われていますが、これははっきり検証したわけではないので確かなことは言えません。でも、サイレンススズカは小倉大賞典をレコード勝ちした後、続く金鯱賞で2着に1.8秒差をつけるレコードで勝っています。とはいえ、これも怪物なので断言は出来ませんが、やはり反動が出たとは判断しづらいです。
反動かどうかは、やはりその馬にとって能力の限界まで振り絞らなければならないような厳しい戦いを指すと思います。サイレンススズカの小倉大賞典、金鯱賞を見る限り全然苦しそうではないので、これはレコードでも反動の出るレースではなかったと判断できます。