初芝、初ダートの考え方 |
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初めて芝コースを経験する、またはダートコースを経験することを「初芝」、「初ダート」という。注意深く見ていれば、1日に最低2,3頭は見つけられることだろう。
だが、スピード指数などの時計理論を使っている方は、この「初芝、初ダート」組み(以後「初トラック組み」というのは非常に厄介な存在だ。
というのもスピード指数を例に取ると、芝で出した指数はダートには適用できない(あるいはその逆も同様)。このことは常識である。つまり指数派にとって、能力比較の材料を失うことになる。この時点で、「初トラック組み」を消してしまう人がほとんどだと思うが、これはある意味正しい。 だが、機械的に消していては、取れない馬券が多いのも事実だ。ここでは「初トラック組み」の基本的な考え方について述べる。 「初トラック組み」は大きく分けて2種類に分類できる。「適性が分かってない条件馬」と「他のトラックでの実績馬」。馬券の対象に出来るのは前者の「適性が分かっていない馬」である。後者は当然他のトラックでの実績で人気になりやすく、新聞などのコメントでも「このメンバーなら」とか「素質でカバー」、「ダートも問題ない」などの文字が踊る。 前者は経験済みのトラックでもそれなりの成績しか上げておらず、初トラックを敬遠され人気になりにくい。 これまでいくつもの例を見てきて分かったことは、人気薄の「初トラック組み」を狙えるのは500万以下の条件戦である。500万条件以下の場合、1勝もしくは未勝利のため、厩舎サイドでも馬の適性が良く分かっていないことが多い。 そこでまだ芝しか走っていない馬を、ダートに出走させたらそこから破竹の快進撃が始まった。という馬も少なくない。 2000年前半の成績において、顕著な例は「タマモストロング」という馬である。この馬は芝を中心に数戦したが、1-1-1-5と凡走が目立っていた。ところがある時、ダートに出走させてから見違えるように勝ちだした。その後重賞を含めて7連勝。ダート路線でこの馬は一躍主役に踊り出たのである。 「初トラック組み」は実際ダートのレースで多く見られる。デビューさせた時から、条件戦を目標にする調教師などはおらず、一度は4歳クラシックを夢見るからである(クラシックは当然芝レースのみ)。だから、ダートのレースよりは、芝での勝ちを夢見て出走させるため、適性を無視して使い、凡走が続くと言う構図が出来上がるのだろう。 次に「初トラック組み」で消せる馬の条件を挙げる。ここでは特に、芝で走っていた馬が、初めてダートに出走してきた時を例に説明する。 結論から言うと、OPEN以上のレースに出走してきた「初トラック組み」は無条件に消しても問題ない。と言うのも、ダートのOPEN番組自体の少なさも手伝い、他の出走馬はダートのスペシャリストがそろうことが多く、また芝での実績を買われて、人気になることが多いからだ。 この場合は、新聞のコメントや専門家の意見には耳を貸さないほうが良い。また、血統背景で判断しない方が良い(ダンシングブレーヴ、ジェイドロバリーなど)。 人気をかぶっている馬に、血統やあとですぐ覆るコメントを信じていてはお金がいくらあっても足りない。相手はその道のスペシャリストと言うことを忘れずに。 実例を挙げると2000年の「フェブラリーS」。このレースでは芝での実績を買われ、またダートにあう血統背景と言うことで「キングヘイロー」が人気を集めた(なんと1番人気!)。 結果13着と大凡走。メイセイオペラやウィングアロー、ゴールドティアラのようなダートの超スペシャリストを相手に、血統背景と芝実績だけで挑んだ絶好の、そして無謀なサンプルとして記憶していただきたい。 「初トラック組み」は500万条件以下なら狙え、OPEN以上は無条件で消せる。 ではその中間の900万、1600万ではどうか? これはOPEN条件ほど顕著ではないものの、軽視しても構わないと思われる。900万、1600万条件になると壁も厚く、適性だけでは越えられない壁が存在するためだ。特に特別レースともなると出走馬のレベルも上がるため、ますます勝ち目がなくなる。 900万の平場はどうか? 特別レースよりは勝ち上がる確率が高くなるが、やはり可能性は薄く狙い目=妙味は余りないと考えた方が良い。 「初トラック組み」が芝のレースに出走してきた場合は、ダートほど顕著な例が見当たらないので、特に無視しても構わないと思われる(基本的にはダートと同じ考えで…)。 |
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■注意 Warning!!
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