なすの馬券術

脚質比率 (レース・アドバンテージ)

  脚質比率」とは出走メンバーの脚質の構成に着目したものです。レースによっては、逃げ馬が多数そろう、逆に逃げ馬が1頭もいないと言う状況が考えられます。個々に有利不利が生じます。 例えば、逃げ馬が多数そろったレースでは、ハイペースになると推察されます。これではハイペースに適性がある逃げ馬がいても、展開的な不利は免れません。これを考慮するのが「脚質比率」です。出馬表に脚質を書くだけでも構わないのですが、比率をよりわかりやすい形で表すために、次の様に並び替えます。
脚質 馬名 先行指数 ペース指数 着差
逃げ ハナトルゾー 22 20(H) -0.2
逃げ キョウモニゲマス 20 15(M) 0.1
先行 ノンビリダネー 5 -2(S) 0.0
  上記の表のように、出馬表を比較したい項目毎に並び替えると以外に見落としがちな要素を拾えることがあります。上の例だと、先行指数の高いハナトルゾーが逃げ、ペースはハイペースになりそうです。ただし、逃げ先行の比率が高いので「レースアドバンテージ」は逃げ馬にはないかもしれません。

  この様に出走馬の脚質から有利不利を決める「レース・アドバンテージ」が「脚質比率」です。これは展開予想の基礎にもなります。現在5つのパターンに分類し、それぞれのパターンで有利だと思われる馬を挙げました。

■パターンA 「逃げ馬が1頭しかいない」
ただ1頭だけいる逃げ馬に「レース・アドバンテージ」があります。能力、適性ともに伴っていれば、信じられないような圧勝を演じることもあります。

■パターンB 「逃げ馬が2頭」
どちらか一方が控える競馬が出来ればどちらにも「レース・アドバンテージ」があります。どちらも引かない逃げ馬ならこの2頭に「レース・アドバンテージ」はありません。

■パターンC 「逃げ馬が多数いる」
壮絶な先行総崩れが見れるでしょう(笑)。この場合、先行馬もハイペースに巻き込まれとばっちりを受けるので、差し、追い込み馬の天下になります。

■パターンD 「逃げ馬が不在で先行馬の方が、差し馬よりも多い」
「レースアドバンテージ」は差し馬にあります。この場合、スローで流れることが多く、先行勢が団子になり、勝負どころですっと抜け出すことが出来ないため、まとめて切れ味のある差し馬の餌食になります。

■パターンE 「逃げ馬が不在で差し馬が先行馬よりも多い」
「レース・アドバンテージ」は先行馬にあります。当然人気も差し馬にあるでしょうから、互いを牽制するあまり、気づいた時には間に合わず…といった場面はほとんどがこのパターンです。

  上記の5つのパターンを見てお分かりの様に、「脚質比率」とは脚質構成に基づく、展開のパターンです。注意すべきは、これはパターンにすぎず、例外は存在します。例えば、サイレンススズカのような逃げ馬の場合、逃げ馬が複数頭いても問題なく逃げ切るでしょう。 さて、ここで脚質比率の例を実際のレースから挙げましょう。

2000年3月26日(日) 日経賞 G2 中山 芝2500m 馬場状態 良
着順 馬番 馬名 性齢 騎手 斤量 タイム 着差 脚質 通過順位 上がり 人気
1 9 レオリュウホウ   牡6 菊沢隆徳 58 02:35.4 先行 1-1-1-1 36.3 9
2 6 ステイゴールド   牡7 熊沢重文 57 02:35.6 1 1/2 差し 2-2-2-2 35.8 2
3 4 メイショウドトウ  牡5 安田康彦 56 02:35.8 1 1/2 先行 5-5-3-2 35.8 4
4 3 ミスズシャルダン  牡6 河内洋  57 02:36.0 1 1/4 差し 8-8-8-7 35.5 3
5 10 アメリカンボス   牡6 江田照男 57 02:36.2 1 1/2 差し 4-4-5-4 36.1 5
6 7 グラスワンダー   牡6 的場均  59 02:36.3 クビ 先行 6-6-6-5 36.1 1
7 2 ダイワテキサス   牡8 田中勝春 58 02:36.5 1 差し 6-6-7-5 36.2 6
8 8 アイシャルテイオー 牡8 大西直宏 57 02:37.9 9 追込 9-9-9-9 36.9 10
9 1 シグナスヒーロー  牡9 嘉藤貴行 57 02:39.1 7 差し 10-10-10-10 37.8 8
10 5 ノボエイコーオー  牡5 小野次郎 56 02:39.5 2 1/2 先行 3-3-3-7 39.5 7
  例としてあげるのはパターンE。レースは2000年「日経賞」です。このレースは断然人気のグラスワンダーが飛び、少頭数でありながら4万馬券が飛び出したレースとして記憶に新しいと思いますが、パターンEの説明をするにはまたとないサンプルです。
  このレースでは確たる逃げ馬不在で、先行馬の数も差し馬の6に対し、4頭とパターンEに符合します。加えて人気の中心は差し馬グラスワンダー。レースは4頭いる先行馬のうちの1頭である、レオリュウホウが鼻を切り馬群を引っ張ります。このときのグラスワンダーは本調子になく、そうとも知らない他の人気馬はぴったりとマーク。レオリュウホウの軽快な逃げと、伸びを欠いたグラスに気づき馬を追い始めたときにはすでに遅く、先行馬2頭で決着してしまいました。

  このレースが典型的なパターンEだと申し上げた理由は、先行馬が楽な展開になり、かつ人気馬のほとんどが差し馬。特に人気の中心が誰もが意識するスターホース「グラスワンダー」だったことからも、グラスにばかり注意が行き、気がついたときには…の典型的な流れになったことです。

■注意 Warning!!

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  • ナスの馬券術は復習(失笑馬券劇場)と合わせるとより効果的です。
  • この馬券術はまだまだ開発中のため、予告なくここの内容を書きかえることがあります

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