File.05 [短縮ショッカーのその威力と有用性 その3] 勝利の方程式

活用法

短縮ショッカーのその威力と有用性 完結編

考案者:今井雅宏
関連書籍:短縮ショッカー 白夜書房

■短縮ショッカーはどんな条件で狙うのがいいのか?

なぎさ:ちょっと間があいちゃったけど、いよいよ完結編っ!
けんすけ:今日は盛沢山だぜ。取りあえず必要と思われる項目全部について検証してみた。
なぎさ:と言うと、クラス条件とか、距離別とか直接馬券に関わりそうな事?
けんすけ:短縮ショッカーがそれなりに有効だという事は、前回までで分かっているから、今度はより信頼度が高く、儲かりそうな条件の話しが焦点だ。
なぎさ:それはやっぱり直接買い目に関わってくるような事?
赤ペンおやじ:ええいっ! まどろっこしいぞいっ! とっとと始めんかっ!

■人気別の考察 -詳細編


なぎさ:
あれ? 人気別のデータの検証ってやらなかったっけ?
けんすけ:やったよ。ただし、ざっとね。今回はより詳細なデータ分析をする為、1〜8番人気までのショッカーの連対率を見てみる。まずは表を見てくれ。

表5.人気別の詳細
人気 着度数 連対率 複勝率
1番人気馬 21-17-5-19 61.30% 69.4%
2番人気馬 15-9-12-30 36.40% 54.5%
3番人気馬 8-5-11-38 21.00% 38.7%
4番人気馬 4-6-7-33 20.00% 34.0%
5番人気馬 7-6-7-34 24.10% 37.0%
6番人気馬 2-2-3-38 8.90% 15.6%
7番人気馬 0-3-6-35 6.80% 20.5%
8番人気馬 1-2-1-49 5.70% 7.5%

赤ペンおやじ:1番人気が61.3%? こんなの当たり前だぞいっ!
けんすけ:いや、じつは同じ期間の1番人気馬の連対率を調べてみたんだが、53.9%と短縮ショッカーの1番人気よりも低い。1番人気に乗った武豊の連対率が56.5%だから、どれだけ信頼性が高いかが分かるだろ(笑)?
なぎさ:武豊(笑)。そんなのと比べないでよ(笑)。
けんすけ:信頼度を検証する上で、競馬ファンなら武豊と比較するのが一番分かりやすいだろ?
なぎさ:まぁそうかもしれないけど…(笑)。ところで、2〜5番人気は平均的な連対率ね。
けんすけ:これは、4、 5人気の馬でも十分儲けられる上に、それなりに当たりますよって事だな。

■クラス施行条件

なぎさ:未勝利と900万条件がいいですよって言いたいの?
赤ペンおやじ:うおっ!? G2じゃないのか?
けんすけ:G2は出現数は少ないものの連対率も高く、平均人気もいい感じだ。G2レースはG1馬がステップレースとして使う事が多く、人気の中心は間違いなく実績馬だ。でも、出走馬の中にはG2
G3クラスをうろうろしている馬も多く、これらの馬はつかみ所のない成績を繰り返すこともいいいから、配当面でもおいしいし、短縮ショックのようなショック療法も効果的なんだろうな。
なぎさ:3歳馬のトライアルは含まれてないの?
けんすけ:もちろん含まれているだろうが、3歳クラシックの場合距離延長の方が多いからな。ショッカーの数は少ないだろ。
なぎさ:それに比べてG1では駄目ね。
けんすけ:まぁ短縮ショッカーの本質は、マンネリ状態に陥り成績的にも膠着状態にある馬を活性化するものだから、G1レースの性質には合致しないんだろ。G1の場合は距離延長の方が多いしな。
赤ペンおやじ:準OPENとG3の平均人気の低さはなんだ?
けんすけ:全然儲からないって事さ。
なぎさ:なんで?
けんすけ:う〜ん、このクラスの考察は難しいな。基本的に準OPEN〜G3は同じクラスだと思って言いと思う。レース数の関係で、よく格上挑戦するしな。だから人気になる馬も決まっているし、ショックの決まりやすいローテーションも組みにくい為なんだろう。

表6.クラス別成績
施行距離 着度数 連対率 複勝率 連対馬の平均人気
未勝利 17-13-15-112 19.10% 28.7% 2.4
500万 24-24-17-213 17.30% 23.4% 3
900万 9-6-6-52 20.50% 28.8% 4
1600万 3-1-9-23 11.10% 36.1% 1.5
OPEN 1-1-1-14 11.80% 17.6% 3.5
G3 3-0-1-30 8.80% 11.8% 1
G2 2-3-1-9 33.30% 40.0% 4
G1 0-0-1-3 0.00% 25.0% 0

■前走と前々走の着順

なぎさ:ねぇ、なんで前走と前々走の着順の考察が必要なの?
けんすけ:これは実は、短縮ショッカーの考案者今井氏が著書の中で触れていたことなのだが、「前走の着順よりも前々走の着順を重視。前々走の着順が良ければ、前走は悪ければ悪いほどいい」とあった。
赤ペンおやじ:穴馬の定義だぞいっ!
けんすけ:そうか? 俺にはイメージ先行の様な気がしてならないが…。
なぎさ:ちなみにに好走とそうでない馬の区分はどう分けたの?
けんすけ:3着以内にはいれば好走。8着以下なら凡走とした。

表7.前走と前々走の成績による違い
成績条件 着度数 連対率 複勝率 連対馬の平均人気
前走3着以内の馬 18-16-9-70 30.1% 38.1% 2.5
前走8着以下の馬 17-11-22-257 9.1% 16.3% 3.9
前走着順が悪く前々走着順がいい馬 6-3-10-62 11.1% 23.5% 2.9

■短縮距離別


表8.短縮パターン別の比較
距離パターン 着度数 連対率 複勝率 連対馬の平均人気
2000→1800 6-1-2-36 15.6% 20.0% 2
1800→1600 5-3-2-33 18.6% 23.3% 2.3
1600→1400 3-2-11-42 8.6% 27.6% 1.4
1400→1200 11-11-13-87 18.0% 28.7% 3
1200→1000 5-7-4-47 19.0% 25.4% 3.5
2400→2000 0-1-1-3 20.0% 40.0% 1
2000→1600 2-1-1-8 25.0% 33.3% 1.7
1600→1200 0-1-4-35 2.5% 14.6% 5
400m以上の距離短縮 10-11-13-135 12.4% 20.1% 3.5

なぎさ:?? 何これ?
けんすけ:見て分からないか? 施行距離別の成績だよ。
赤ペンおやじ:分からんから聞いてるんだぞいっ! もっと詳しく説明せいっ!
けんすけ:つまりだ、同じ短縮ショッカーでも、どの距離からどの距離への短縮かを示したものだ。このデータでより、具体的な短縮ショックのパターンを見ることができる。
なぎさ:ふ〜ん。
けんすけ:まず、一番狙っていきたいのは1200m→1000mの短縮パターン。レース数も少なく下級条件ばかりだが、短縮ショックが一番効いているだけにいいね。1400m→1200mの短縮もまずまずだ。
なぎさ:あれぇ? 1600m未満の短距離での短縮は狙い目が無いって前回言ってなかったっけ?
赤ペンおやじ:ふははははっ! 小僧も地に落ちたものよっ!
けんすけ:確かに言ったけど、さらに詳細な短縮パターンを見たら別の答えにたどり着いた。
なぎさ:別の答えって何?
けんすけ:表を見ても分かる様に1600m→1400mや1600m→1200mの短縮パターンが含まれたいたせいだ。このパターンは連対率も低く、特に1600m→1400mは連対率の割りにすごく人気になりやすい。
なぎさ:1600m→1400mってすごくありがちなローテーションじゃないの?
赤ペンおやじ:人気の割りに連対率も低い。わしが一番嫌いなパターンだぞいっ!
なぎさ:おやじさんは人気になるのはみんな嫌いなんでしょ(笑)?
赤ペンおやじ:ぞいっ!?
けんすけ:中距離→短距離への短縮があまり効果が無いのは、もともと求められているスピード、能力が違うからだと思うぜ。スプリント戦は持続したスピード。マイル戦はスタミナと瞬発力。両方をこなせるのはやはりG1級の馬が適性を素質の違いで克服しているからだろ。
なぎさ:じゃあ今度は中距離はどうなの?
けんすけ:2000m→1800mのパターンがそれなりの成績だが、人気になりやすい。これはこのローテーションは誰でも買えるパターンだからだろう。むしろ1800m→1600mの方がいいね。
なぎさ:400m以上の短縮は? 平均人気はいいと思うんだけど…。
けんすけ:連対率が低い。400m以上距離の変動があると、もうこれは別の距離適性の範疇にはいる事が多い。やはり皆その辺を不安視して人気になりにくいんだろう。でも、連対率が示す通りあまり当てにならない事が分かる。
なぎさ:2400m→2000mって、結構大きなレースのローテーションでありがちよね?
けんすけ:でも、人気になりやすい上、連対率もあまり当てにはならないな。人気が高いのも、やはり天皇賞・秋の様なビッグレースのローテーションの1つだからだろう。2000m→1600mも儲からないから辞めた方がいいな。
なぎさ:なるほど。こういう風に距離別に分けるとなんとなくわかるね。
けんすけ:結局、誰もが安心できるありがちな距離パターンを狙うより、ちょっと不安になるような短縮パターンで信頼度の高いものを狙い打つべきだろうな。

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