File.03
[弥生賞馬が皐月賞で勝てない訳] |
勝利の方程式 |
|
弥生賞馬が皐月賞で勝てない訳
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昔からの競馬のジンクスに、弥生賞優勝馬は本番の皐月賞では勝てないといいます。一体何故でしょう? |
なぎさ:あっ、これあたしも思ってた。これってよく耳にするけど、ジンクスって奴?
けんすけ:そうだな。JRAのG1にまつわるジンクスのひとつだ。確かに弥生賞優勝馬の中で、本番の皐月賞に出走し連対した馬はここ10年じゃ見あたらねぇな。
なぎさ:10年間で、1度も連対したことないの?
けんすけ:それだけじゃないぜ。引退を含めて過去10年間で、3頭も脚部不安、体調不調などで本番を回避している。
なぎさ:3頭もいるの?
けんすけ:ああ、サンデーサイレンス産駒最高傑作とまで言われたフジキセキ。それに96年のダンスインザダーク、2000年のフサイチゼノン。レースには出走したが、直前に体調に不調をきたした99年のアドマイヤベガなんてのもいる。
なぎさ:なんか、最近になっての話が多いね。もっと前はどうだったの?
けんすけ:じゃあこの表を見てくれ。
表1.弥生賞連対馬の成績と皐月賞での成績(1990〜2000年
開催日 |
開催 |
馬名 |
騎手 |
人気 |
着 |
馬場状態 |
時計 |
着差 |
2角 |
3角 |
4角 |
上がり |
皐月賞での結果 |
000305 |
2中4 |
フサイチゼノン |
藤田伸二 |
1人 |
1着 |
良 |
2023 |
-0.2 |
6 |
4 |
2 |
35.9 |
脚部不安回避 |
000305 |
2中4 |
エアシャカール |
武豊 |
4人 |
2着 |
良 |
2025 |
0.2 |
16 |
13 |
4 |
35.3 |
? |
990307 |
2中4 |
アドマイヤベガ |
武豊 |
1人 |
2着 |
稍 |
2037 |
0.2 |
12 |
14 |
13 |
35.0 |
体調不調。皐月賞1番人気6着 |
990307 |
2中4 |
ナリタトップロード |
渡辺薫彦 |
2人 |
1着 |
稍 |
2035 |
-0.2 |
8 |
7 |
2 |
35.3 |
皐月賞2番人気3着 |
980308 |
2中4 |
スペシャルウィーク |
武豊 |
2人 |
1着 |
良 |
2018 |
-0.1 |
8 |
7 |
6 |
35.4 |
皐月賞1番人気3着 |
970302 |
2中4 |
ランニングゲイル |
武豊 |
3人 |
1着 |
良 |
2022 |
-0.5 |
13 |
4 |
1 |
35.7 |
皐月賞2番人気6着 |
960303 |
1中4 |
ダンスインザダーク |
武豊 |
2人 |
1着 |
良 |
2027 |
-0.2 |
9 |
6 |
5 |
35.1 |
体調不調。回避 |
950305 |
2中4 |
ホッカイルソー |
蛯名正義 |
2人 |
2着 |
重 |
2041 |
0.4 |
9 |
8 |
8 |
36.3 |
皐月賞2番人気4着 |
950305 |
2中4 |
フジキセキ |
角田晃一 |
1人 |
1着 |
重 |
2037 |
-0.4 |
2 |
2 |
1 |
36.4 |
脚部不安。引退 |
940306 |
2中4 |
サクラエイコウオー |
小島太 |
4人 |
1着 |
良 |
2013 |
-0.4 |
1 |
1 |
1 |
36.0 |
皐月賞3番人気8着 |
940306 |
2中4 |
エアチャリオット |
横山典弘 |
2人 |
2着 |
良 |
2017 |
0.4 |
2 |
4 |
3 |
36.1 |
皐月賞2番人気16着 |
930307 |
2中4 |
ウイニングチケット |
柴田政人 |
1人 |
1着 |
良 |
2001 |
-0.3 |
11 |
7 |
6 |
35.0 |
皐月賞1番人気4着 |
920308 |
2中4 |
アサカリジェント |
柴田政人 |
6人 |
1着 |
良 |
2015 |
-0.4 |
5 |
3 |
3 |
36.1 |
皐月賞2番人気3着 |
910303 |
2中4 |
イブキマイカグラ |
南井克巳 |
2人 |
1着 |
良 |
2017 |
0 |
6 |
8 |
6 |
36.4 |
皐月賞2番人気4着 |
900304 |
2中4 |
メジロライアン |
横山典弘 |
2人 |
1着 |
不 |
2054 |
-0.1 |
11 |
9 |
5 |
38.2 |
皐月賞2番人気3着 |
なぎさ:うわぁ〜、みんな討ち死にって感じね。3着に入ればいい方か…。
けんすけ:確かにそんな印象だ。弥生賞と皐月賞。相互の関係を見る前に、過去10年の皐月賞を振り返ってみようか。
表2.皐月賞連対馬の成績(1990〜1999年)
レース結果分析 |
連対馬能力分析 |
年度 |
馬名 |
着順 |
人気 |
走破時計 |
上がり |
通過順位 |
決め手 |
ペース |
タイム |
脚質 |
タイプ |
前走 |
1999 |
テイエムオペラオ- |
1 |
5 |
2.00.7 |
35.2 |
14-14-11-8 |
差し |
M |
3位 |
先行 |
瞬発 |
毎日杯 阪神芝2000m 1着 |
オースミブライト |
2 |
6 |
2.00.7 |
35.4 |
10-8-9-4 |
マクリ |
5位 |
差し |
瞬発 |
スプリングS 中山芝1800m |
1998 |
セイウンスカイ |
1 |
2 |
2.01.3 |
36.7 |
2-2-2-1 |
逃げ |
M |
2位 |
逃げ |
持続 |
弥生賞 中山芝2000m 2着 |
キングヘイロー |
2 |
3 |
2.01.4 |
36.6 |
4-4-3-2 |
先行 |
4位 |
差し |
瞬発 |
弥生賞 中山芝2000m 3着 |
1997 |
サニーブライアン |
1 |
11 |
2.02.0 |
36.5 |
2-2-1-1 |
逃げ |
S |
11位 |
逃げ |
瞬発 |
若葉S 中山芝2000m 4着 |
シルクライトニング |
2 |
10 |
2.02.1 |
35.6 |
12-12-13-8 |
マクリ |
3位 |
差し |
瞬発 |
若葉S 中山芝2000m 1着 |
1996 |
イシノサンデー |
1 |
4 |
2.00.7 |
35.5 |
11-7-7-8 |
マクリ |
H |
1位 |
先行 |
瞬発 |
弥生賞 中山芝2000m 3着 |
ロイヤルタッチ |
2 |
1 |
2.00.8 |
35.4 |
12-12-11-11 |
追込 |
2位 |
先行 |
瞬発 |
若葉S 中山芝2000m 2着 |
1995 |
ジェニュイン |
1 |
3 |
2.02.5 |
36.7 |
2-2-2-2 |
先行 |
S |
- |
先行 |
持続 |
若葉S 中山芝2000m 1着 |
タヤスツヨシ |
2 |
4 |
2.02.6 |
36.3 |
11-13-11-9 |
差し |
- |
差し |
持続 |
若葉S 中山芝2000m 5着 |
1994 |
ナリタブライアン |
1 |
1 |
1.59.0 |
35.8 |
8-7-4-4 |
差し |
H |
- |
差し |
持続 |
スプリングS 中山芝1800m 1着 |
サクラスーパーオー |
2 |
9 |
1.59.6 |
35.7 |
13-13-13-14 |
追込 |
- |
先行 |
持続 |
山桜賞 中山芝1600m 1着 |
1993 |
ナリタタイシン |
1 |
3 |
2.00.2 |
34.6 |
18-17-15-12 |
追込 |
M |
- |
追込 |
瞬発 |
弥生賞 中山芝2000m 2着 |
ビワハヤヒデ |
2 |
2 |
2.00.3 |
35.4 |
3-3-4-2 |
先行 |
- |
先行 |
持続 |
若葉S 中山芝2000m 1着 |
1992 |
ミホノブルボン |
1 |
1 |
2.01.4 |
37.1 |
1-1-1-1 |
逃げ |
M |
- |
逃げ |
持続 |
スプリングS 中山芝1800m 1着 |
ナリタタイセイ |
2 |
4 |
2.01.8 |
37.0 |
9-7-6-6 |
差し |
- |
先行 |
瞬発 |
若葉S 中山芝2000m 3着 |
1991 |
シャコーグレイド |
1 |
16 |
2.02.0 |
36.4 |
17-17-13-10 |
差し |
M |
- |
先行 |
持続 |
若葉S 中山芝2000m 3着 |
トウカイテイオー |
2 |
1 |
2.01.8 |
36.7 |
5-7-4-2 |
差し |
- |
先行 |
瞬発 |
若葉S 中山芝2000m 1着 |
1990 |
アイネスフウジン |
1 |
1 |
2.02.2 |
37.6 |
2-2-2-1 |
逃げ |
M |
- |
逃げ |
持続 |
弥生賞 中山芝2000m 4着 |
ハクタイセイ |
2 |
3 |
2.02.2 |
36.9 |
6-5-7-7 |
差し |
- |
先行 |
瞬発 |
きさらぎ賞 阪神芝2000m 1着 |
表3.路線別連対率
路線別連対馬 |
1着 |
2着 |
シェア |
スプリングS |
2 |
1 |
15% |
弥生賞 |
4 |
1 |
25% |
若葉S |
3 |
6 |
45% |
毎日杯 |
1 |
0 |
5% |
きさらぎ賞 |
0 |
1 |
5% |
山桜賞 |
0 |
1 |
5% |
|
|
■表2の見方:
- 年度ごとの連対馬について書かれています。
- 左側半分は、その年の皐月賞での成績
- 右半分は、その馬の皐月賞の前までの成績、能力を評価したもの
- タイムランクはTargetの補正タイムランクを示します(昔の基準タイムがないため、4年分しかありません)。タイムランクは過去の走破時計の順位付けです。
- 脚タイプは末脚の種類を指し、瞬発は一瞬の切れ味型(スペシャルウィーク、アドマイヤベガなど)。持続はじわじわと長くいい足を使えるタイプ。
|
なぎさ:れれ? 弥生賞優勝馬は皆ことごとく討ち死にしているのに、皐月賞優勝馬は弥生賞出身馬が多いのね。なんで?
けんすけ:ここがなかなか難しいところだな。皐月賞へのステップレースはトライアルを含めて4つあるが、中でも最もレベルが高いメンバーが集まるのが、弥生賞だと思う。これがどういう意味を持っているかは後で触れるが、要は実力馬が多く集まるとだけ記憶しておいてくれ。
なぎさ:確かに、毎年メンバーが濃い感じするもんね。この事と、皐月賞優勝馬が多いことって関係あるの?
けんすけ:あるさ。メンバーが濃いってことは、その年のクラシック候補生が数多く顔をそろえているってことだろ。ここで上位に来るってことは、能力が高い証拠だ。
なぎさ:ははぁ〜、って事は、メンバーが濃い→実力上位→皐月賞上位馬って言いたいのね?
けんすけ:まぁそうなるな。
なぎさ:ん〜と、じゃあ質問なんだけど、なんでその実力上位のメンバーを下した弥生賞馬が、本番の皐月賞で優勝できないのかなぁ。
けんすけ:これも様々な要因が考えられるが、弥生賞で上位にきた馬ほど、より厳しいレースをしたと見ることもできる。
なぎさ:なんで(笑)?
けんすけ:だってよ、弥生賞にはクラシックでかなり走りそうな面子が集まってくるわけだろ? よほど抜けた存在でもない限りは、手を抜いて走るわけには行かないだろ。だから厳しいレースをすることになり、結果本番に影を落とす疲労を溜め込んでしまう。
なぎさ:その辺ってけんすけ君の推測だよね。なんか根拠あるの?
けんすけ:根拠ってほどではないが、例年弥生賞は数あるステップレースの中でも1
2を競うほどのレベルの高い内容になる。第2に弥生賞優勝馬、上位馬が10年間で4回もレース後の不調を訴えてる。
なぎさ:ああ、さっき言ってたあれね。フジキセキが引退したとか、アドマイヤベガが体調を崩したとか…。
けんすけ:事態の深刻さも、頻度も他のステップレースと比べ物にならないくらいい多く報告されてるだろ?
なぎさ:そうね。
けんすけ:だから、弥生賞上位馬はどの位余力が残っているかが取捨の鍵になる。表4に弥生賞連対馬が本番で結果を残せなかった時のラップタイムを示すぜ。
表4.弥生賞連対馬が皐月賞敗退時の弥生賞ラップ
|
1F |
2F |
3F |
4F |
5F |
6F |
7F |
8F |
9F |
10F |
2000 |
12.9 |
11.3 |
12.0 |
12.7 |
12.2 |
12.3 |
12.7 |
12.4 |
11.5 |
12.3 |
1999 |
13.0 |
11.2 |
12.4 |
12.4 |
12.4 |
12.8 |
13.0 |
12.1 |
12.2 |
12.0 |
1996 |
12.3 |
11.7 |
12.6 |
12.8 |
12.6 |
12.4 |
12.7 |
12.2 |
11.9 |
11.5 |
1995 |
13.0 |
12.0 |
12.6 |
12.7 |
12.2 |
12.3 |
12.5 |
12.0 |
12.2 |
12.2 |
1993 |
12.4 |
11.2 |
11.8 |
11.8 |
12.2 |
12.2 |
12.0 |
12.0 |
12.7 |
11.8 |
平均 |
12.8 |
11.6 |
12.4 |
12.7 |
12.4 |
12.5 |
12.7 |
12.2 |
12.0 |
12.0 |
|
|
|
|
■弥生賞組みの考察
- 弥生賞で好走し、レース後不調をきたした馬がいた年のレースラップタイムを見てみると、ほとんどが弥生賞の平均ラップタイムを上回っていることが分かる。
-
平均ラップよりを上回ったレースをした場合、想像以上の疲労が馬に蓄積するという見方もできる。
-
優勝馬が本番で好走できない理由の1つとして、必要以上に力を出し切った結果と見れる。優勝馬の消耗は他馬よりも大きい。
-
2着以下の馬は全力を出し切る前に、破れているので余力を残していると判断できる。
-
1,2着馬で激しい叩き合いをした時は、1,2着馬ともに皐月賞で連をはずしている(1999年アドマイヤベガとナリタトップロードなど
|
|
■皐月賞で穴をあける若葉S組み
なぎさ:ねぇねぇ、過去の皐月賞の成績を見ていて気づいたんだけど、若葉S出身馬が一番連に絡んでるよね?
けんすけ:まぁ過去のデータを見る限りではそうだな。
なぎさ:これって何でかな。さっきの話だと、余力を残した弥生賞組みのほうが優勢なんじゃないの?
けんすけ:ここがまぁ、ローテーションの妙なんだろうな。弥生賞はG2で若葉SはOPEN特別だろ?
なぎさ:そうね。でもそれがどうかしたの?
けんすけ:ということは弥生賞のほうが賞金が高い。
なぎさ:あたりまえでしょ。重賞なんだから。
けんすけ:俺が言いたいのは、賞金目当ての馬が弥生賞に多く出走するんじゃねぇかってこと。
なぎさ:まさか。だって若葉Sも皐月賞トライアルでしょ。だったらどちらも出走権獲得を目指してるんじゃないの?
けんすけ:いや、弥生賞を目指すような連中の多くは、すでに他で重賞を勝っていたり、OPEN特別を勝っている馬が多いので、賞金面で皐月賞への出走はほぼ確実だ。
なぎさ:? そうなの? 例えば?
けんすけ:1999年のアドマイヤベガはラジオたんぱ杯3歳S(G3)の優勝馬だし、ナリタトップロードはきさらぎ賞(G3)を勝っている。1998年のスペシャルウィークもきさらぎ賞(G3)を勝っている…。
なぎさ:う〜ん、言われてみればそうかも。賞金面で足りてるなら、無理に弥生賞で権利を取る必要ないかもね。
けんすけ:弥生賞に有力馬を使ってくる理由は、本番前の最終調整と本番で手の届きにくい優勝賞金を取るよりは、前哨戦の優勝賞金を狙おうって2つの狙いがあるんじゃねぇかと思うぜ。
なぎさ:でも今の話って、みんな弥生賞での話よね。それと若葉Sがどう結びつくの?
けんすけ:賞金の低い若葉Sは、皐月賞出走権を狙う下級条件馬たちにとって、願ってもない舞台なわけだ。しかも賞金面での落差があるから、有力馬はほとんど出てこない。
なぎさ:鬼のいぬ間にって事ね。
けんすけ:そこに1頭クラシック候補生が紛れ込んだらどうか? 実際にG1で勝ち負けできるような1流馬が。まわりは雑魚ばっかだぜ。
なぎさ:なるほど、すると相手が楽だから、楽勝しちゃうってことね。
けんすけ:そう。実際皐月賞の有力馬はすでに賞金面で出走権を手にしているから、本番前の調整程度でいいはず。すると相手が楽なOPEN特別は格好の調整場所ってわけだ。
なぎさ:なるほど、なるほど! 余力十分の有力馬が本番に出走してくるから、一番連対率も高くなるのね!
けんすけ:そういう事。
なぎさ:ん〜と、あともう1つ聞いていい? 皐月賞で人気になるような有力馬が出ている場合は分かったけど、若葉S出身の人気薄の馬が、よく本番の皐月賞で穴をあけてるよね。これってどういうことなのかな?
けんすけ:一言で片付けるなら、他のステップレース組みの有力馬の陰になっていただけなんだがな。
なぎさ:ということは、まぐれじゃないって事?
けんすけ:表5を見てくれ。表5は若葉S上位組みが、人気薄で皐月賞に連対したときの若葉Sのラップタイムだ。
表5.若葉S上位組みが皐月賞で穴をあけたレース
|
1F |
2F |
3F |
4F |
5F |
6F |
7F |
8F |
9F |
10F |
1997 |
12.5 |
11.5 |
12.5 |
12.5 |
12.3 |
12.0 |
12.2 |
12.8 |
12.5 |
13.1 |
1995 |
12.7 |
12.2 |
12.8 |
12.8 |
12.6 |
12.5 |
12.3 |
12.5 |
13.1 |
13.7 |
1991 |
12.5 |
11.6 |
13.6 |
12.7 |
12.6 |
12.2 |
12.7 |
12.0 |
12.1 |
11.6 |
例年 |
12.6 |
11.4 |
12.6 |
12.7 |
12.5 |
12.4 |
12.5 |
12.4 |
12.5 |
12.5 |
|
|
|
なぎさ:うっまたしても、ラップタイム!
けんすけ:赤いラインが例年の若葉Sのラップタイムだが、青と緑のラインは穴をあけたときのラップタイムだ。
なぎさ:ふ〜ん、これがどうしたの?
けんすけ:注目すべきは、穴をあけたときの若葉S組みのラップタイムを見ると、前半ないしは上がり3Fが例年よりもはるかに良い。馬場差を考慮してないから、単純にはいえないが、例年よりもレベルが高かったとも言える。
なぎさ:あっ! けんすけ君の言いたいことが分かったよ。つまり、レベルが高かったのにも関わらず、評価されなかったって言いたいのね。
けんすけ:簡単に言えば、そうなるな。結局他の有力馬の陰になって、評価されなかったんだろうな。だから、1997年のサニーブライアンの激走も決して、展開利やフロックでないという事だ。
■若葉S組みの考察
- 若葉Sだけの組み合わせは過去10年間で3回あり、そのうち2回はかなりの高配当である。
- 皐月賞でも人気サイドの若葉S好走組みは、納得の顔ぶれ=実力馬がそろっている(ビワハヤヒデ、トウカイテイオー)
- 若葉S組みが絡んだ高配当を見てみると97年と91年であるが、好走の理由として、その年の若葉Sのレベルが高かったことが上げられる。
- 人気薄で皐月賞で好走する条件として、若葉Sでのレースラップが例年を上回るものでなければならない。これは前半1000mのラップでも良いし、後半3Fのラップでも良い。
- 若葉SはOPEN特別であるため、弥生賞やスプリングSに比べるとメンバー的に手薄になりやすく、レベルの高低がラップタイムに出やすい。
- 1997年に若葉S同士の決着で、5万円を越える大波乱を呼んだが、これは両馬の実力を誤っていた結果。人気のランニングゲイル、メジロブライトは両馬よりも1枚落ちる(メジロブライトは距離が短かった)。
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