File.04 [人気落ちの前走人気馬の考察] | 勝利の方程式 |
人気落ちの前走人気馬の考察 |
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ちょっと競馬をかじってくると、人気を常に意識するもの。前走1、2番人気に支持された馬が、今回人気を落として出走してきた場合、これは狙えるのでしょうか? |
なぎさ:だそうです。
赤ペンおやじ:ちゃんと説明せいっ!
なぎさ:えっと! 要は、前走人気だった馬が、今回人気薄で出走してきた場合、馬券として狙えるのかってことね。例えば、前走1番人気だった馬が、今回10番人気と大きく評価を下げた。ほら、よく穴馬候補に上げるじゃない。そういうの。
赤ペンおやじ:わし、それで儲けたことあるぞいっ!
なぎさ:でしょ? だから、人気落ちの前走人気馬を真剣に狙ってみたらどうなのかなって言う疑問ね。
赤ペンおやじ:儲けた事あるんだから、当然狙えるぞいっ!
なぎさ:それは赤井さんの場合でしょ? 一般的にはどうかって話よ。
赤ペンおやじ:…???
けんすけ:よし分かった! じゃあ具体的に数字を挙げて検証していくことにするか。
なぎさ:待ってました、けんすけ君! …でも、なるべくやさしい数字にしてね(笑)。
けんすけ:まず、人気薄の検証に入る前に、人気毎の連対率を明らかにしよう。このデータが全ての基準。
なぎさ:ふんふん。そうね、比較対照は必要ね。で、どうやるの? 1つ1つ見ていくの?
けんすけ:誰がそんな面倒なことするか。集計用のプログラムを作成し、そいつの結果を分析することにするぜ。
なぎさ:集計プログラム?
けんすけ:そう、取りあえずVisual Basicを使って、簡単な集計ソフトを作った。こいつにパラメータを与えて、過去の傾向を見てみよう。ちなみに、サンプルとしたデータは過去2年分だな。
なぎさ:2年? なんで? こういうデータって、過去10年分を見るのが慣習じゃないの?
赤ペンおやじ:手抜きだぞいっ!
けんすけ:競馬のデータというと、すぐに過去10年とかで考えるけど、サンプル数が十分な場合は、5年程度でいいと思ってる。というのも、馬場の改修工事や種牡馬の流行すたりなどを考慮すると、5年くらいまで遡るのが適当だと思うぜ。
赤ペンおやじ:じゃあ、5年分で検証せんかっ!
けんすけ:過去5年のデータだと、集計結果が出てくるまで時間がかかりすぎるんだよ。はじめは、傾向をつかむだけだから、結果が出るまでの時間が早い方が分析しやすいだろ?
なぎさ:それで2年? 3年じゃなくて(笑)?
けんすけ:1年でもいいかなって思ったけど、誤差を分散する意味で、2年にした。それ以上の根拠はない。いいか? じゃあこのデータを見てくれ。
今回の人気
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出現数
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1着
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2着
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3着
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4着以下
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連対率
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1番人気
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5989
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2083
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1185
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761
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1960
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55%
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2番人気
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5845
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1168
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1131
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818
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2728
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39%
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3番人気
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5766
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809
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880
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837
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3240
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29%
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4〜5番人気
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11274
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961
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1194
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1397
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7722
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19%
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6〜10番人気
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25257
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868
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1336
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1687
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21366
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9%
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11番人気〜
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15229
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140
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254
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347
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14488
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3%
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なぎさ:1、 2、 3番人気の馬が圧倒的ね…。
けんすけ:人気馬の範疇は人によって異なるが、俺は一応1〜3番人気までを人気馬と定義した。人気別の連対率はよく言われているように、やはり人気馬の活躍が目立つ。これは当然だな。実力等を評価されて人気に支持されるんだから。
なぎさ:で、これを基準に考えるのね…。人気薄の馬は6番人気以降になると思うんだけど、あわせて12%じゃあちょっと狙いづらいよね。
けんすけ:だから、大穴馬券を夢見てやたら人気薄の馬を買うのは得策じゃないな。11番人気以降はほとんど無視してもいいだろう。俺が、穴馬として狙うなら6〜10番人気馬だな。連対率9%、複勝率15%は決して高い数字じゃないが、荒れると見込んだレースで中心視するには、ぎりぎり範疇じゃないか?
赤ペンおやじ:わしは11番人気以降でないと認めんぞっ!
なぎさ:でも連対率3%じゃあ…。
けんすけ:そうだな。だから、6〜10番人気を前提に話を進める。じゃあ表2を見てくれ。
なぎさ:なになに? 連対占有率? 何それ?
けんすけ:連対占有率とは、特定の条件での連対馬の内訳を明らかにしたものだ。表2の場合、6〜10番人気馬が連対した時の構成要素だな。今回、構成要素としては前走の人気順にデータをまとめた。
前走人気
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出現数
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占有率
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前走1番人気
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75
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3%
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前走2番人気
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132
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6%
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前走3番人気
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170
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8%
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前走4〜5番人気
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402
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18%
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前走6〜10番人気
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1008
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46%
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前走11番人気以上
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417
|
19%
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なぎさ:ほとんどが6番人気以下じゃない。人気馬は全然駄目なの?
けんすけ:見ての通りだ。3番人気までの馬の連対占有率は17%とちょっと頼りない。この中で一番占有率を占めているのは6〜10番人気。
なぎさ:ねぇねぇ、このデータって今回6〜10番人気馬のデータを集めたんでしょ?
けんすけ:そうだよ。それがどうかしたか?
なぎさ:って事は、連対率9%って事だよね?
けんすけ:6〜10番人気馬の連対率は9%だからまさにその通り。で、俺が思うに前走人気になっていたような馬というのは、今回もやはり人気になるんじゃないかと言うこと。そこで、前走人気だった馬が、今回連対した時の人気を分析してみよう。
今回人気
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出現数
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占有率
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1番人気
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2355
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43%
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2番人気
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1258
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23%
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3番人気
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739
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14%
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4〜5番人気
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716
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13%
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6〜10番人気
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377
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7%
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11番人気以上
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23
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0%
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けんすけ:このデータが示すものは、前走人気だった馬は、やはり今回も人気になると言うことだ。これはさっきも触れたことだな。
なぎさ:ほんとうだ。確かに前走人気だった馬が今回も人気してるね。
けんすけ:加えて4番人気馬の連対占有率が下がっていることから、前走人気だった馬が今回人気を落として出走してきた場合、人気を落とすだけの何らかの理由があったといえる。
赤ペンおやじ:あああっ! 数字ばっかでさっぱりわからんぞいっ! 結局儲かるんかいっ!
けんすけ:結論から言うと、前走人気だった馬が今回人気薄になっていた場合には狙いづらいと言える。理由は前走人気馬は今回も人気になると言うこと。今回人気薄になっている馬の連対占有率を見ても、前走人気になっている馬のシェアが少ないこと。
なぎさ:うんうん、つまり巷で言われている「人気落ちの前走人気馬を狙え!」って言うのは…。
けんすけ:まったく信憑性がないね。これはイメージ先行の結果と言えるな。前走人気だった馬が今回全然人気がなければ、おいしく感じるもんな。これを穴馬のロジックとして考えている人は注意が必要だ。
なぎさ:イメージ先行か…。結構競馬の世界ってこういう事あるのかな?
けんすけ:あると思うぜ。特に目の前で起きている事例と言うのは、印象に残りやすいからな。データとして取り入れる場合には、一歩引いた位置からのきちんとした考察が必要だ。
なぎさ:と言うことで、今回はこれで終わり。
けんすけ:おっと、今回のデータはあくまでの表面的な数字を追いかけたに過ぎない。今後クラスやコースなどの様々なパラメータを加えた上で、もう少し追いかけて見たいと思う。
なぎさ:期待してるよ。
■人気落ちの前走人気馬の狙い方のまとめ
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